それから私は
数名の芸子さんとともに
"蒼石"
という部屋に通された
ふすまを開けると
十人強の長州の武士が
まだかまだかと待っている様子だった
「凛さんはあちらへ」
芸子さんは確実の持ち場につき
私は部屋の左端の方へ行くようにした
たぶん
真ん中の席のほうがお偉いさんなのかな…
端に座ってる人たちよりも
笑い声とか態度が大きい気がする
…大丈夫
時間がすぎるうちに真ん中の席のほうに寄って
何か情報を聞き出そう
「初めまして、凛と申します」
「おおっ可愛い姉ちゃんじゃねえか〜」
それから私は自分は芸子だと言い聞かせて
武士たちの接待に力を注いだ
けれども彼らは何の情報も漏らさなかった
…というよりも知らないのかもしれない
思えば新選組もそうだ
平隊士の人達は本当に重要なことは
聞かされてない確率が高い
この人たちも
そんな重要な情報なんて最初から持ってないんだ

