島原につくと
廊下の隅に置かれた部屋に通された
山崎さんは護衛として
忍者のような格好をしているため
いざという時まで身を隠して監察するらしかった
他の部屋には明かりが灯っていて
もう既に酔いが回っている客の笑い声が聞こえてきた
「凛さん、お久しぶりですなあ」
「え…!?」
思わずそう反応してしまった
なぜなら
そこで待っていたのはお菊さんだったから
ここに来たばかりの頃
沖田さんと一緒に行った呉服屋のお菊さん
あの時とかまた違って
今日は本物の芸子さんのような着物を着ていた
真っ赤な布地には
色鮮やかな花びらが舞っている
「時間がありません。着付けとお化粧しますよ」
そう言われてから私は
お菊さん、そしてほか数名の芸子さんによって
着付けとお化粧をしてもらった
これから任務をこなさなければならないのに
なんだか…ちょっとだけ
楽しかったのはここだけの話

