そのせいか
この屯所に来てから
毎日の賑やかさに最初はとまどった
自分の帰る場所に誰かがいるっていいなって
"いってきます"
って言ったら
"いってらっしゃい"
って誰かが見送ってくれて
"ただいま"
って言ったら
"おかえりさない"
って誰かが迎えてくれて
重なりあうみんなの
"いただきます"も"ごちそうさま"も
すべてが私にとって新鮮だった
そんな生活がいつしか当たり前になりかけていて
ふと、みんなが巡察に行った時や
お留守番を頼まれた時
一人になってしまった時
寂しさがこみあげてきた
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