月明かりと薄桜 -誠の絆-



「さがってて…?」


今までに聞いたことがないくらいの低い声

もうすでに戦闘態勢に入っているらしい

私の口は

"はい"も"いいえ"も言えないくらい

しっかりと固まってしまっていた


息をするのさえ苦しいくらい




「はっ…!」



それはまさに"一瞬"という言葉が相応しかった

気づいた時には

沖田さんの浅葱色の羽織には返り血



赤い斑点からぽつぽつと散っていた

生臭い血の匂いが鼻につく

どうしてもこの臭いには慣れなくて

頭がクラクラしてしまう



「なんで、助けてくれたんですか?」


それを悟られないよう

私は彼に話を振った


すると彼は刀についた血を地面に払い

私の目をまっすぐと見つめたかと思えば

ふいっとまた目を逸らした