月明かりと薄桜 -誠の絆-

「やめてって言ってるでしょっ」


元は私が悪いんだ

自分の身は自分で守らなきゃ


体は考えるより先に動いてて

私はお父さんの前に立っていた


それが気に食わなかったのか

浪士は刀を振り上げ

その刀は私の頬を斬った



つーっと血が流れるのが分かる

痛さはわからないけれど



「貴様、切られたいのか！？」


浪士が不機嫌そうに叫び

再び刀を振り上げたときだった



「お父さん！？」