「分かったならさっさと消えてよ」 犬を追い払うみたいに シッシッと手を払われた 馬鹿にされて腹が経つけれど もうこれ以上彼には何も言いたくなかった 言ったって、彼は何も変わらない 私に対しての敵意は変わらない ならば何を言っても同じだ 「戻るぞ」 その場から動こうとしない私を 斎藤さんが手を引いた なんでか足が動かなかったんだ 斎藤さんの手の力は強くて 少し痛いくらいだった 相変わらず無口な斎藤さんはそれ以上何も話さない そして部屋に戻るまで無言は続いたのだった