月明かりと薄桜 -誠の絆-



それは間違いなく斎藤さんだった

斎藤さんは呆れたような顔で腕を組み

廊下に一人立っていた


いつからそこに…?

すると彼は一歩踏み出し沖田さんに刀を降ろすよう目で制した



「やだなあ、斎藤くん、冗談だよ」



フッと笑う沖田さん

ちらりと横目で一瞬私を見たけど

その目は冗談なんかじゃなかった

彼が言ったことは全て本気だった



「お前の冗談は冗談に聞こえんのだ」



どうやら斎藤さんは少し怒ってるみたい

それはたぶん沖田さんだけじゃなく

私にも。

いつもより話す声が低い



「てめえら何してやがる」



ここでまた一人現れたかと思うと

三人一斉にその声の方を振り向き

"まずい"という顔をした



そう、そこにいたのは

怖い鬼のお面をかぶった土方さんだった