中庭に響くのは彼の声だけ

突然のことに肩が大きく揺れて

言葉が喉に詰まった



「君、うるさいよ。僕がちょっと優しくしたからって何?勘違いでもしてるの?」



…は?

私の目の前にいるのは

私が知らない沖田さんだった


この目は見覚えがある


私が初めてここに来た日

初めて彼にあった日

彼が私に向けた目だ


"敵"

 

そうだ、私は信頼なんか最初からされちゃいないんだ

彼らの心になりたいだなんて

勝手に舞い上がって浮かれて



そうか、そうなんだ