月明かりと薄桜 -誠の絆-



平助くんを部屋へ戻すと

私達は買い出しのため町へ向かった

昨晩の池田屋事件のせいか

町の人たちの視線が刺さる

でもそれは悪いものばかりじゃなかった



「あー!お兄ちゃんって新選組!?」


二人で並んで歩いていると

一人の男の子が斎藤さんのところへ走ってきた


まだ五歳くらいだろうか?

そんな小さな男の子だった



「そうだ、俺は新選組だ」


斎藤さんは男の子と目を合わせるように

地面にしゃがみこんだ


あ、あれ


いつも無表情の斎藤さんが笑ってる…?

頬が少し上がって優しい目をしていた



「僕ね!大きくなったら新選組になりたいんだ!だからね!今頑張ってるんだ!」


元気いっぱいの男の子はそう言って

近くの木のから枝を拾ってきて

斎藤さんに素振りをしていた

それをにっこり眺める斎藤さん


斎藤さんにもこんな優しい顔するんだ…