月明かりと薄桜 -誠の絆-




目が覚めると

一番最初に目に入ったのは

すやすやと気持ちよさそうに眠る左之さんだった



感覚的にはもうお昼ごろ

屏風からは

おひさまの光が透けていてポカポカしていた

それでもまだ季節は春ごろだから

ふすまの隙間から風が入り込んでくると

少し肌寒かった





部屋の外からは隊士の方たちが

稽古する掛け声が聞こえてくる




「…まだ、いいっか」




あまりにも気持ちよさそうに眠ってるから

起こしてしまうのは少し気が引けて

私だけ起きることにした


夕飯の準備もしなくちゃだし


私は彼を起こしてしまわないよう

そっと布団から抜けだして

静かに部屋を出た