階段を下りると更に扉があった。




鍵を開けて中に入ると、そこには部室の割に広すぎる部屋が広がっていた。



ソファーやテーブル、テレビは流石に無いがここだけでも充分暮らして行けるほど物が揃っている。



知らない人の私物や過去のスパイ部の先輩の写真なども飾られていた




「今日から3年間、ここがお前らの部室だ」



先生はそう告げる



「そういえば、新入部員も先輩部員も今は居ないんですか?」



彼方が表情は変えずに不思議そうに聞く。



いつの間に椅子に座ってた先生が顔をこちらに向けこう言った



「スパイ部は、3年に一度しか代が変わらないんだよ。だから前の代の奴らが卒業してお前らが新スパイ部として来たわけだ。ここも3月まで今の大学1年のヤツらがここを使ってたんだ。」



先生はあるボードを指差すと
Queen.Joker.Ace.Kingと書かれている文字の下に、先輩の名前のプレートが4名分付けられていた。



「この年のスパイ部も4人だったのか」


彼方がそういうと


「資料には条件を満たしていれば入れるって書いてあるけど毎回条件を満たしてる人が4人しか居ないんだよ。」


なんでだろうなーと言いながら先生は考え込む



「とりあえず俺らは部室をもうちょっとみてから帰るので鍵ください」


ん…と手を出しながら言う彼方



「くれぐれもばれないようにな」




鍵を投げ渡してじゃあなーと帰っていった