「紗南…ありがとう」

「いえいえ。で、その人はどんな人
なの?」

「えっと、意地悪でSな気もするけど、
優しくてかっこよくて、実はMな人」

「え、Mーーーーーー!?」

「え、なんでそんなに驚いてるの?」

「そりゃ驚くよ!てか、なんでそんな事わかったの?」

実は、私から彼に襲いかかって〜…って
言えるわけがない!

「な、なんでもない!!
あ、チィちゃんに餌あげるから、切るね!またね!!」

「え、ちょっ…」

ガチャ

はぁ〜
危なかったー

一方的すぎたかな?今度謝ろう

さて、チィちゃんの相手をしよ

チィちゃんは、私が飼っている猫
中学二年の時に拾った捨て猫

あの頃はだいぶ弱っていたけど、
しっかり看病したらすっかり治った


「チィちゃーん♪ゴハンだよ〜」

「ミャー」

ふふっ可愛い♡

私の家族はチィちゃんと祖父母だけ
両親は5年前に離婚し、母親は私を捨て
父親は私を殴った
その二年後、父は事故にあって死んだ


中学一年生になったばかりの私は
祖父母に引き取られた