ドS王子はドM彼氏

【海斗side】

「ど、どうしたの?」

「あのな…」

俺は、産まれたときからもう親は
いなかった

産まれてすぐ、俺を捨てた

産まれてから中学を卒業するまでずっと
孤児院にいた

管理され、外出する際もそこで働いている人間に許可を得ないといけない

そんな毎日が窮屈で地獄だった

でもそんな俺にも、中学一年生の時に
彼女ができた

その子はいつも笑っていて、俺のそばにいてくれた

でもそんなある日、俺は見てしまった

他の男と手を繋いで歩いている彼女を

俺は悔しかった、悲しかった

翌日、彼女に聞いてみた

すると彼女は…

「あんたの事なんか最初から彼氏と思ってない。引き立て役に付き合ったけど、
もう飽きた」と言った

俺はその日から人生に絶望していき、
人を信じなくなった

でもそんなある日、学校の帰りの雨の日
ある公園に置いてある段ボールから聞こえた猫の鳴き声を耳にした

俺はその子猫を拾おうと進もうとしたら
一人の女子中学生が段ボールに歩みよって蓋を開け、そして涙を流した

それから子猫を抱きかかえ、傘も指さずずぶ濡れになりながら帰っていったんだ

俺は泣いていたその姿を一度も忘れられなかった

そして後日、その泣いていた女子中学生が、美佳だったんだ


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俺の話しを一通り話して、美佳を見ると
驚いていた