「出来たよー。」


「ウワー、いい匂い。」


「本当に唐揚げだ…。」


「良樹くんのどっち?」


「お前は帰れ。」


「いやよ。」


「なら友美と春樹と姫華さんどっちが美味しいかお願いします。
名前は伏せていますので!」


「でもお姉ちゃんのは何回か食べたことがあるからわかるよ!」


「大丈夫!
味は変えてるから。」


「へー、ならいただきます。」


「春樹待ってよ~!
私も食べるー。」


「なら私もいただくわ。
唐揚げなんて初めて食べるわ。」


「うそ…姫華さん普段何食べてるんですか?」


「フランス料理にフレンチ料理もちろん日本食も食べますわ。

でも…オホホホ!!
友子さんとはかなり育ちが違いますものね。
良樹くんもあまり唐揚げなんて食べませんよね。」



「まぁ確かに…。」


「嘘でしょ…。」


「これ美味しい。」


「俺もこっちのほうが旨い。」


「なんでー、唐揚げあんまり食べたことがない人に負けるなんて。」


「ざまあみろ!」


嘘でしょ…。

 
本当に負けた。


「お姉ちゃんのも美味しかったよ。」 


「友美ー、ありがとう。」


あんだけ、大多和くんの方を持ってたのに…妹は可愛い。


「私も食べてみていい?」

 
「おう、俺も友子の食べてみる。
まぁ、俺のほうが美味しかったみたいだけどな。」


「うるさいな…
うん…美味しい。」


「だろ。」


「う、うん。」


「友子もまぁまぁだな。」


「ありがとう。」


「で、俺の勝ちって言うことは…」


「わかってるよ、何がいい?」

 
「後でじっくり考える。」


そうして二年目の長かったような短かったような夏休みが終わった。