綾瀬の家は学校からかなり近かった。
うーわ。付き合ったら放課後に寄り道とかしづれーやつだ。
……なんて、アイツにはもう付き合ってるやついるんだけどな。
インターホンを鳴らすと、
「はーい」と、中から男の声がした。
ガチャと開けられた扉の向こうにいたのは、
学ラン姿の、爽やかな男だった。
……中学生?
「あ、星菜さん」
「東夜くん。久しぶりです」
「そうかも。
今日は、姉ちゃんの見舞い?」
そう聞かれて、前園さんは後ろにいた俺の腕をグイッと引っ張った。
そして俺の右手にぶら下がってるビニール袋を指差した。



