好きなんだよ、バカ




「うん。
お姉さんには、迷惑をかけるかもしれないけど…」



「や、全然へーきっす!!
姉ちゃんになんかあったら、オレが守りますんで!」




って、東夜何言ってんの!?




「ううん。
守るのは、俺の役目だから」




東夜に笑いかける蓮くん。



…もう、王子様だよ…。



東夜まで顔赤くなっちゃってる。



でも東夜は今一度落ち着いて、冷静に蓮くんに話しかけた。




「あの、
姉ちゃんとは、どこで会ったんですか?」



「高校の食堂で」



「そういえば同じ制服…
あ、姉ちゃんの高校、芸能科ありましたもんね。

…えっと」




東夜はそこで、少し気まずそうにしながら



私をチラッと見た。




「姉ちゃん、
ちょっとレンさんと二人で話したいっつーか…」




それはファンだからとか、そういう意味ではないってことは、



東夜の真剣な表情が物語っていた。




「あ…うん。
じゃあ私、家に入ってるね」




もう一度蓮くんに手を振ってから家に入り、



玄関の扉を閉めた。