“なんで?”



その言葉は喉に引っ掛かって出てこない。




「んなくだらねぇこと考えてっから負けたんだよ。
お前のせいだな」



「ちょっと!さっき私のせいじゃないって言ったじゃん!」




コイツは、いつもみたいにうるさい方がいい。



その切ない表情は、誰を想ってなのか────



それを考えるだけで、



胸を抉られるような、そんな感じがした。