「や、やめてください!
まだ授業中だし…
せんぱ…っ、
……れ、蓮くん…も、止めてください…っ!」
火花が飛び散る勢いだった二人の間に割って入る。
あぁ。二人の視線が痛い。特に先輩にものすごい見られてる気がする。
顔から火が出そうだ。穴があったら入りたい…。
やっぱ、『蓮くん』はやめておけばよかった。先輩もきっと気持ち悪いと思ったに違いない。
「…南月ちゃんに呼ばれると、特別な感じする」
「…え?」
「わかった。俺もう自分のとこ戻るね。
……これからも、そう呼んで」
……えっ…?
呼んでいいのなら、呼ぶようにするけど…
私はそれよりも、違うことが気になった。
最後に囁かれた、少し低めの声が、私の頭を駆けめぐる。
この…声。
似ている気がする…ううん。そんなわけない。
蓮くんは、
あの人とは違う。