好きなんだよ、バカ






「ちょっと先輩。
近すぎっす。離れてください」




ジトーっと私たちを見ていた高木くんはかなり不機嫌そうにそう言って、



先輩の腕をぐっと掴むと



私の髪は先輩の手から滑り落ちた。



それを見た先輩は、やっと冷静になったようで




「え、う、うわ、ご、ごごごめん!!」




慌てて私から離れる。



でもその時の先輩の顔が、心なしか赤い気がして。



つられてこっちまで、赤くなってしまった。




「なに赤くなってんだよ。
付き合いたてのカップルか」




自分で言っといて、ケッと吐き捨てる高木くん。



付き合ってないから、余計に恥ずかしいんだよ!