好きなんだよ、バカ




「た、高木くん、ありがとう」




近付かないように。近付かないように…。




「……なんでそんな遠くからお礼言ってんだよ」



「出来るだけ近付かないように、
10メートルくらいの距離を保とうと思いまして…」



「んな遠くじゃ会話しづれーっつの!!」




え、なんか怒鳴られた。



高木くんのためを思っての行動だったんだけどなぁ…。



ていうか体臭ひどいなら言ってくれればいいのに。



これじゃ山岡先輩とか晴希先輩に会ったりするのも気が引けちゃうよ…。




「……と、とにかく、
ちゃんと適度な距離をだな…」



「なっちゃーん!」



「え?」




高木くんが徐々に近付いてきた時、



どこからか、私を呼ぶ声がした。



え、どこ?



キョロキョロと辺りを見回してみると



体育館の外から、晴希先輩と山岡先輩が手を振ってるのが見えた。