「どこ…と言われれば
困るんだけど…」
ほらな!!
「好きになるのに
理由っているかな…」
「…っ!」
まさか、
綾瀬からそんな言葉が聞けるとは思わなかった。
理数系の勉強してる俺からすれば、理由がほしいとこだけど
そんな風に言われたら、もうなんだっていいや。
「……やっぱり、
お前のこと好きだ。
好きすぎて…ホント、どんどん汚くなってるんだけど、
それでもいいのかよ」
「え?汚く?
わ、私のせいで汚くなるの!?
……あぁっ、私そんなに汚れてた!?
絵の具とか!?
あ、油絵の具とか臭いしね、ごめん!
晃汰にも汚れをうつし…「そうじゃなくてな」
こういう、穢れを知らないような目が、
本当に俺の欲を煽ってくる。
「嫉妬しすぎて、狂いそうだった。
お前に初めて好きって言ったときは、
確かに『好き』っていう純粋な気持ちだったんだよ。
けど、
どんどん『誰にも渡したくない』って欲が出てきて…
独占欲っていうんだよな、
それが、出ちゃいました…」



