好きなんだよ、バカ




「…もう、
話すことすら、出来ないよ。
私もう、嫌われちゃったんだよ」




スケッチブックを捲りながら、思う。




「……ナツ…
ナツは、高木くんのこと…」



「…うん。好きだって、気付いちゃった…」




このスケッチブックに描いた晃汰の絵に、自分の気持ちがすべて込められている、と。



『好き』って



『晃汰しか見えない』って…。




「じゃあ、好きって言ったの?」



「言おうと思ったけど、
晃汰は私と話したくないみたいで…」




避けられてるから



どんどん話すきっかけもなくなって



このまま…晃汰との接点もなくなっちゃうんじゃ…