今、綾瀬のことを考えると 真っ黒な気持ちが、支配する。 『奪いたい』 そんなの、綾瀬に嫌な思いさせるだけだ。 俺はもう、綾瀬に近付くべきじゃないんだ。 「お前は本当にいいやつだよ。 俺なら喜んでお前と付き合うのにな」 「なに言ってんの、気持ち悪い」 「きもっ…!? んなこと言うなよ! それよりお前は…優しすぎる」 優しい?俺が? 散々綾瀬をバカにして、嘘をついてきた俺が 優しいわけない。