前髪をくしゃりと掻き上げた先輩は 眉尻を下げ、哀しそうに笑った。 「俺が、彼女のこと何も考えてなかったから…」 「え?」 「自分のことを守って、 彼女を傷付けた…。 傷付けるつもりなんてなかった。 聞いてたなんて思わなかったから…」 ポツポツと、 先輩はその出来事を話始めた。