そう言ったら 先輩の表情が、明らかに曇った。 「……それ、 南月ちゃんから聞いたの?」 「はい。 先輩が相澤先輩とは知らなかったみたいですけど」 「……キミは、なんで俺が相澤だって思うの?」 ……なんで? なんでだろう? 「なんとなくです」 「ふざけてる? 俺は相澤なんて名前じゃないし」 「ですよね。 でも、絶対知ってるはずだ。 晴希先輩と、仲が良かったんだろ?」 探るように、先輩を見つめる。 するとそこで先輩は、はぁ、とため息をつき、 階段に腰をおろした。