幼馴染み↑+恋人↓=?

「あれ、柚子帰らないの?」

 蓮くんから終わったから教室行くねって来たから、了解ってスタンプを送ったとこだった。

「うん、蓮くんにお花見行こって誘われたんだ」

「明日雨で散っちゃうみたいだから、今日が最後だもんね。昨日行っといて良かったね」

「ねー。菜々の方の公園の桜も綺麗だったー。それに、クレープ。美味しかったよね」

 昨日は菜々とお花見したの。出店で買って色々食べたけど。


「もー。でも、うん。美味しかったよね」


 菜々だって色々食べたんだから。


「ゆう〜」

 来たーッ!!


「蓮くん!」

 嬉しくてガタッて音を立てながら立ち上がる私。


「皆月?」

 って、教卓に座ってた先生がびっくりした顔をしてた。

「あぁ、矢那はまた中学生の担任になったんだっけ。そっか、A組だったんだ」

「そうなんだよ。で、どうした、また中学生やり直すのか?」

「まぁ、悪くは無いけど。……ぁあ、ゆう。矢那は去年、担任だったんだ」

 そーだったんだ、!なんか仲良さそうだなというか、緩い感じだなとは思ってたんだ。


「ふむ、皆月がそういう顔をしていると知られたら、大変なことになりそうだな」


「良いんだよ、ゆうは。じゃ、先生。またな」


 大変なことってなんだろう、とか。私は良いってなんだろう、とか。色々疑問に思ったけど、それどころじゃない。慌てて鞄を掴みながら、


「あ、じゃあ、菜々。また明日ね」

「はぁい。行ってらっしゃーい」




 蓮くんと並んで玄関まで歩きながら、一番に言ったのはやっぱり進学式のことだった。


「高校進学代表するって聞いてなかったから、ビックリしたよ」

「驚かせようと思って。ゆうがぽかーんってしてるの見えたよ」

 ぇえええええ。登壇した蓮くんが少し笑ったように見えたのってまさかその所為!?は、恥ずかしい……。


「カッコ良かったよ」


 笑うだけで何も言わなかった。でも、照れてる時の蓮くんだ。