「あ、皆月くん……!同じクラスだったよ。よろしくね」

 蓮くんと一緒ってことは、高一かぁ。

「お、よろしく。何組だった?」

「A組。担任は羽瀬で変わんないんだけど、Fが香納だったの!」

 今年、中学に入る私には羽瀬も香納も分からない。担任の先生の名前かなってくらいしか。でも、それを聞いた蓮くんはビックリしてる。

「マジで!結局。生活主任が俺らの学年にきたのか。で、矢那は?」

「中一の担当だって。優しいから、好きだったのになぁ」

 俺も、って頷く蓮くんは話に夢中?名前全然わかんないから、聞いててもつまんない。


「蓮くんは、じゃあクラス分け見に行かないの?」

 この人に聞いたならわざわざ見に行く必要も無いだろうし、拗ねて一人で見にいこうかと思った。

「あ、でも一応俺も見に行くかな。ゆうがどのクラスになったのかも興味あるし」

 って言って、一緒に来てくれた。


 でも、色んな人に声掛けられてる。勿論、女の人ばっかりってわけじゃ無いんだけど。でも、面白くない。

「…………蓮くん、モテモテだね」

「ゆう……もしかしてやきもち?」

 ボンって頬とか顔とか耳とか、一気に熱くなった。

「ふは、顔真っ赤」

 蓮くんが言うんだから真っ赤なんだろうな、と思ったら頬を突かれた。

「ちょッ」

「大丈夫だよ、ゆう。心配しなくても」

 にこって笑う蓮くんにきゅん、ってなった。

「俺が好きなのはゆうだから」

 嬉しい。大好き、蓮くん。でも、少し拗ねてる。絶対一緒のクラスになれないこと、未だすっごく悔しい。

「…………ほんとに?」

「本当だよ」

 そう笑った時だった。蓮くんがまた声を掛けられたのは。


 ほんと、大人気だなぁ。