ふぅ、ふぅと息を吹きかける。ふわふわと立ち上っていた湯気が少しずつ減ってゆくのを見て、蓮くんに差し出した。
「はい、蓮くん」
「ん」
パクって、蓮くんがたこ焼きを食べるのを見る。
「って、熱ッ……!」
うん、まだまだ湯気出てるもん。焼きたて美味しいけど、食べるのには少し、困る。
「…………は、けど。うま。ん、焼きそばも食うだろ」
差し出された焼きそばとたこ焼きを交換。因みに焼きそばは二割くらいしか残ってないけど、まだ後、お好み焼きも食べるしクレープも食べるからこれで丁度いいんだよね。蓮くんは量いっぱい食べるし。
「焼きそばも美味し」
ここでのメインはやっぱり出店。もうこれ目当てと言っても良い。それまでたくさん桜は堪能してきたし、それにこうやって歩きながらも風でひらひら〜って散ってるの綺麗だなって思ってるし。花より団子っていうわけじゃあ、ない。はず。……たぶん。
「……蓮くん?」
幸せ気分でお好み焼きに突入したら、ふと蓮くんに見られていることに気が付いた。手に持ってるパックにはもう、たこ焼きが無い。
「何か買ってくる?」
「ふは、ほんとゆうってここ来ると食うことばっかだよな」
う、ぐ。と、言葉に詰まる。本当にその通りだから何も言えない。
「だってほら、いっぱい桜見てきたしさ。お腹も空いたじゃん?」
「うん、すっげー幸せそうだなと思って見てた」
にこにこ、って笑う蓮くん。サーって、強い風が吹いて桜の花びらが舞い降りる。
「…………蓮くんの、おかげだよ……?」
「うん、だから、笑ってくれてて良かったと思って。やっぱゆうは笑ってる方が可愛いから。俺は、別に、お花見とか結構どうでも良いんだ。綺麗だねって笑うゆうが見たいだけだし。……だから、来年も来よう」
真っ直ぐ向けられる、蓮くんの目。いつもの優しい蓮くんとはちょっと違う……?でも、嬉しい。
「約束だよ、蓮くん」
「ん。…………で、それやっぱ一口ちょうだい」
あーん、って開けた蓮くんの大きな口の中にお好み焼きを入れる。
「うま。そういや、……おばあさんの分、どうすんの?」
「あ、一応買ってく」
夕方になるととっても賑わうここも、この時間だと落ち着いている。それでも、蓮くんの差し出してくれる手を握ってしまう。もう、迷子になんてならないのに。それでも、蓮くんの少しひやっとした手が好き。
「はい、蓮くん」
「ん」
パクって、蓮くんがたこ焼きを食べるのを見る。
「って、熱ッ……!」
うん、まだまだ湯気出てるもん。焼きたて美味しいけど、食べるのには少し、困る。
「…………は、けど。うま。ん、焼きそばも食うだろ」
差し出された焼きそばとたこ焼きを交換。因みに焼きそばは二割くらいしか残ってないけど、まだ後、お好み焼きも食べるしクレープも食べるからこれで丁度いいんだよね。蓮くんは量いっぱい食べるし。
「焼きそばも美味し」
ここでのメインはやっぱり出店。もうこれ目当てと言っても良い。それまでたくさん桜は堪能してきたし、それにこうやって歩きながらも風でひらひら〜って散ってるの綺麗だなって思ってるし。花より団子っていうわけじゃあ、ない。はず。……たぶん。
「……蓮くん?」
幸せ気分でお好み焼きに突入したら、ふと蓮くんに見られていることに気が付いた。手に持ってるパックにはもう、たこ焼きが無い。
「何か買ってくる?」
「ふは、ほんとゆうってここ来ると食うことばっかだよな」
う、ぐ。と、言葉に詰まる。本当にその通りだから何も言えない。
「だってほら、いっぱい桜見てきたしさ。お腹も空いたじゃん?」
「うん、すっげー幸せそうだなと思って見てた」
にこにこ、って笑う蓮くん。サーって、強い風が吹いて桜の花びらが舞い降りる。
「…………蓮くんの、おかげだよ……?」
「うん、だから、笑ってくれてて良かったと思って。やっぱゆうは笑ってる方が可愛いから。俺は、別に、お花見とか結構どうでも良いんだ。綺麗だねって笑うゆうが見たいだけだし。……だから、来年も来よう」
真っ直ぐ向けられる、蓮くんの目。いつもの優しい蓮くんとはちょっと違う……?でも、嬉しい。
「約束だよ、蓮くん」
「ん。…………で、それやっぱ一口ちょうだい」
あーん、って開けた蓮くんの大きな口の中にお好み焼きを入れる。
「うま。そういや、……おばあさんの分、どうすんの?」
「あ、一応買ってく」
夕方になるととっても賑わうここも、この時間だと落ち着いている。それでも、蓮くんの差し出してくれる手を握ってしまう。もう、迷子になんてならないのに。それでも、蓮くんの少しひやっとした手が好き。
