「そう、かな...?」
「もっと、怖い感じだと思ってた」
「怖い...?」
「だってさ、アイツ花にキレてばっかりじゃん。冷たいし」
あまり深梨君と学校で話さない。
でも、深梨君が怒っている時は話すから、怒っていて怖いイメージが強いのかもしれない。
私が、怒らせるようなことをしたから怒っているだけで、深梨君に非はないのだけど。
「あ、佐奈ちゃん。深梨君と同じ班だと思うけど、よかったかな?」
「え?あたしは全然良いよー」
良かった。
佐奈ちゃんが、実は深梨君のことがあまり好きじゃなくて、一緒は嫌だといわれたらどうしようかと思った。
もし。
もし、嫌だといわれていたら。
私はどうしたのだろうか?
佐奈ちゃんにやっぱり一緒の班になれないと断っていたのだろうか。それとも、反対に深梨君に断りに言っていたのだろうか。
多分、前者だろう。

