ブルーライトメモリーズ



ぎゅっと箒の柄を握りしめる。すると俯く私の頭に優しい声が降ってきた。

「ふ、お前考えすぎ。」

「っ、」

「そもそもここ掃除しろって言われたのは俺のせいでもあるんだし、中村だけの責任じゃないだろ」

「だって、部活」

確かに行きたいけど、と私の言葉を遮る。

「別にこれ終わってからでも練習は出来るよ、べつに学校じゃなくてもバットならどこでも振れるんだから」

「で、でも」

「今までずっと死ぬ気で練習してきたんだ。これくらいで負けたりはしない。それに、」

「それに?」


彼の頬が、ほんのりと染まっている。

これは夕日のせい?それとも、


「お前が応援しに来てくれるなら、俺は勝てるよ」





どうして彼のことを好きになったのだろう、と思い出す。

あぁ、こういうところだ。ありきたりだけど彼は優しい。

そして、キャプテンとしてメンバーから厚い信頼を置かれている彼を見た時から私は彼に恋をしていた。


「……行ってもいいの?」

「いいっていうか、来てほしいんだけど」


きっと染まる頬は夕焼けだけのせいじゃいけれど、ちょっとだけあまのじゃくな私には好都合だ。


……あぁ今週末が楽しみだ。

久し振りに見られるであろう彼のキラキラした姿を想像しながら、私は再び掃除に取りかかった。



Fin.