.*・゚ .゚・*.翼目線.*・゚ .゚・*.






『キャーー!翼ーー!』






応援してくれるのは嬉しいけどこうやって叫ばられると少し困る


ふと、二階を見るとやはりあいつはいた

やっぱり絵に真剣だな

確かコンクールに向けての作品だとか

あ、誰かに話しかけられてる

あいつ気づいてないじゃん


「どんな集中力だよ」


つい笑ってしまった

『はいぃ!!!』

ここまで楓の声が聞こえてきた

相変わらずの大きい声

「翼ー!休憩だぞー!」

話しかけて来たのは同じサッカー部の谷野 諒

「あ、わかったー」

「お前どこ見てんだ?あ、美術部か?確か楓いるんだっけ?」

「あぁ...あいつ集中力高すぎるんだよな...」

「さっきも声聞こえてたもんな」

そういって諒は笑っている

「あぁ...あいつは相変わらずの大きい声だからな...」

「そう言えばお前って好きな人とかいないのか...?」

いきなり諒が聞いてきた

「いきなりか?いねぇよ...」

「モテるくせにな」

「俺は恋とかはまだわかんねぇから」

そう俺が言うと諒は真顔になり言った

「恋はないつの間にか落ちてるもんなんだよ」

「いきなり深いこと言い出したな!?頭打ったか!?」

「打ってねぇよ、お前もいつかそんな時が来るよ」

「俺も...そんな時が来るのか...な... 」

俺の呟きは青い空へと消えていった