女は何か言おうとしていたが、言い終わる 前に女の喉をかききった。女は苦しそうに もがきながら『ヒューヒュー』と首から空 気を漏らすばかりだ。僕は女も男と同様に ナイフで刺した。女が微動だにしなくなっ ても何度も何度も。 1000回刺したところでこれは意味のない行 為だと気がついた。何度刺したところで何 も変わりはしなかった。男と女は死ん だ。僕は男と女を殺した。僕は父と母を殺 した。僕は両親を殺した。でも、まだ足り ない。