男を525回刺したところで女が現れた。女 は夫の亡骸を見て、泣くどころか嘔吐し 始めた。僕が見ていることに気づいた女は おぼつかない足取りで僕から逃げた。拒絶 した。 僕は女を追いかけた。女の逃げた場所は行 き止まりだった。女はその場にへたりこむ とゆっくりと僕の方へ顔を向けた。女の恐 怖に歪んだ顔はまるで僕の顔のようだっ た。 『…お願い。やめて…。あき