豪造が懐から、何やら取り出す。
それを目にした途端、岬の目の色が変わる。
「そ、それは中世ヨーロッパで惨殺された娘がつけていたとされるネックレスではありませんか? ネット上で話題になってたんだよ。誰が手に入れたんだ? ってね」
廉は、岬は豪造側に流れたなと思った(笑)廉の想像通りだった。
「お爺さまには、もう少し頑張ってもらわなきゃ」
「お~、そうかそうか」
「神崎はお爺さまあってこそよ」
「では、これをプレゼントするかのう。ぜひ、つけて見せてくれんか」
「うん。廉兄、どこかパーキングエリア入って」
岬は返事をする。
「ハイハイ。丁度5キロ先にある」
そう言って、パーキングエリアに廉は入る。
「廉兄つけて」
「ハイハイ」
そう言って、岬から受け取ると、廉は慣れたしぐさでつける。
「ほらよ」
「ありがとう」
岬は嬉しそうに言う。
「お~、良く似合っておる」
「本当? 私も見てくる」
岬は嬉しそうに、パーキングエリアの洗面所に走って行く。
「岬を遠ざけてまで聞かせたくない話とは?」
「お前は、話が早くって助かる」
「滅相もございません」
豪造をイスに座らせ、自分は座らず、直立不動のまま、先程までが嘘のように、礼を取る。
「誰かが、この結婚式を狙っておる。細心の注意を払え」
「かしこまりました」
廉はきっちり頭を90度下げる。
実は、廉は豪造こそ神崎の頭と思っている証拠だ。
岬のいないところでは、きちんと礼を取る。岬が見たら、びっくりすることに違いない。
「うわ~、本当だ。かわいい」
岬の走ってくる音が合図であるかのように、廉も座る。
「本当に、似合っていたよ。お爺さまありがとう」
ニッコリ笑って、抱きつく。
「そうか、そうか。羨ましいだろう」
廉に言うが、涼しい顔で、廉は答えた。
「別にいつもやられていることだし」
「なに、羨ましい」
「そんな、興奮なさらないでください」
「そうよ、お爺さま。神崎の頭を勤めあげた男が心臓発作で、ポックリとかって、お葬式が笑いに包まれること、間違いないわ」
そう言った後、何か考え続ける。
「あっ、でも、それも面白いかも?」
「酷い岬」
タハハハハと乾いた笑いで誤魔化す岬。
「漫才は、それくらいにして、そろそろ、行かないと」
腕時計に目をやり、廉が言う。
「漫才?」
不満そうに岬が言う。
「漫才以外、何があると?」
「お~、そうじゃそうじゃ。岬行くぞ」
「どこに?」
「結婚式じゃ。多分、花婿が首を長くして待ちわびているぞ」
「やっぱ、イヤ~」
岬の叫びは、黙殺され、気づけば、廉が運転する車の中に。
覚悟を決めた岬は聞く。
「どこでやるんですか?」
「最初は武道館でやろうと思ったんじゃ」
もう岬はなにを聞いても驚かない。
「でも制約がいちいち多くてのう。面倒臭くやた。で、結局ブライダル専門に扱っておる芸能人御用達のホテルにした。面白くない」
「私は一安心です。見せ物になる気はないので」
「おまえの両親は東京ドームでやったぞ。大層、喜んでおった」
もう、喜ぶしかなかったのだろう。かわいそうに、そういうしかなかったのね。きっと、喜んではいなかっただろう。開き直っただけだ。可哀想に。
フォフォと笑う。
「さいですか」
呆れたように、夏海は祖父を見る。
「さぁ、行くぞ」
そうして、廉の運転する車で夏海たちは目的地へと向かったのだ。
それを目にした途端、岬の目の色が変わる。
「そ、それは中世ヨーロッパで惨殺された娘がつけていたとされるネックレスではありませんか? ネット上で話題になってたんだよ。誰が手に入れたんだ? ってね」
廉は、岬は豪造側に流れたなと思った(笑)廉の想像通りだった。
「お爺さまには、もう少し頑張ってもらわなきゃ」
「お~、そうかそうか」
「神崎はお爺さまあってこそよ」
「では、これをプレゼントするかのう。ぜひ、つけて見せてくれんか」
「うん。廉兄、どこかパーキングエリア入って」
岬は返事をする。
「ハイハイ。丁度5キロ先にある」
そう言って、パーキングエリアに廉は入る。
「廉兄つけて」
「ハイハイ」
そう言って、岬から受け取ると、廉は慣れたしぐさでつける。
「ほらよ」
「ありがとう」
岬は嬉しそうに言う。
「お~、良く似合っておる」
「本当? 私も見てくる」
岬は嬉しそうに、パーキングエリアの洗面所に走って行く。
「岬を遠ざけてまで聞かせたくない話とは?」
「お前は、話が早くって助かる」
「滅相もございません」
豪造をイスに座らせ、自分は座らず、直立不動のまま、先程までが嘘のように、礼を取る。
「誰かが、この結婚式を狙っておる。細心の注意を払え」
「かしこまりました」
廉はきっちり頭を90度下げる。
実は、廉は豪造こそ神崎の頭と思っている証拠だ。
岬のいないところでは、きちんと礼を取る。岬が見たら、びっくりすることに違いない。
「うわ~、本当だ。かわいい」
岬の走ってくる音が合図であるかのように、廉も座る。
「本当に、似合っていたよ。お爺さまありがとう」
ニッコリ笑って、抱きつく。
「そうか、そうか。羨ましいだろう」
廉に言うが、涼しい顔で、廉は答えた。
「別にいつもやられていることだし」
「なに、羨ましい」
「そんな、興奮なさらないでください」
「そうよ、お爺さま。神崎の頭を勤めあげた男が心臓発作で、ポックリとかって、お葬式が笑いに包まれること、間違いないわ」
そう言った後、何か考え続ける。
「あっ、でも、それも面白いかも?」
「酷い岬」
タハハハハと乾いた笑いで誤魔化す岬。
「漫才は、それくらいにして、そろそろ、行かないと」
腕時計に目をやり、廉が言う。
「漫才?」
不満そうに岬が言う。
「漫才以外、何があると?」
「お~、そうじゃそうじゃ。岬行くぞ」
「どこに?」
「結婚式じゃ。多分、花婿が首を長くして待ちわびているぞ」
「やっぱ、イヤ~」
岬の叫びは、黙殺され、気づけば、廉が運転する車の中に。
覚悟を決めた岬は聞く。
「どこでやるんですか?」
「最初は武道館でやろうと思ったんじゃ」
もう岬はなにを聞いても驚かない。
「でも制約がいちいち多くてのう。面倒臭くやた。で、結局ブライダル専門に扱っておる芸能人御用達のホテルにした。面白くない」
「私は一安心です。見せ物になる気はないので」
「おまえの両親は東京ドームでやったぞ。大層、喜んでおった」
もう、喜ぶしかなかったのだろう。かわいそうに、そういうしかなかったのね。きっと、喜んではいなかっただろう。開き直っただけだ。可哀想に。
フォフォと笑う。
「さいですか」
呆れたように、夏海は祖父を見る。
「さぁ、行くぞ」
そうして、廉の運転する車で夏海たちは目的地へと向かったのだ。