私の師匠は沖田総司です【下】


「……蒼蝶に何があったかは分からない。とりあえず今は無事を祈るしかねえだろ」

「そうやな。祈ることしかできない、無力な自分がいやになるわ……」

「俺もだ……」

そう。本当に何もできないのがもどかしくて、でも、無力で。

ただ無事を祈るしかできない。そんな俺がいやで。

でも、それ以上にいやなのは町に残らなかった過去の俺。

1ヶ月前、どうして俺は町に残らなかったんだろう。

初めて蒼蝶を寺田屋に連れて来たとき、あいつは今までみたことがないほど俺に縋ってきた。