「そっか……そうだよね。どうせ私なんか、私なんか誰も信じてくれないんだ……。ふふふ、あははははははははは!!!」
「あ、天宮……?おい、どうし」
「触らないで!!!」
足をとめた土方さんが空いている方の手で私に触れようとしたけど、私はその手を振り払い、掴まれていた腕から逃げ出した。
私はずっと心に溜めていた感情をを爆発させるように、小刀を地面に叩き付け、壊れた懐中時計を握りしめた。
「私は今までみんなを守ってるつもりだった!でも、みんなはすぐ近くで命を狙われてることも知らないんだよね!
あはは、今までの自分がバカみたい……。こんな状況になった理由は私が一番知りたいよ……。
でも、分からないんだよ!どうして目の前で人が倒れてんのよ!どうして人を斬った感覚があるのよ!!分からない!分からないのっ!!」
「天宮、とにかく落ち着け……。分かったから」
「何が分かったのよ!!どうせ私の言葉なんて信じないんでしょ!!嘘ついてるか頭がおかしいって思ってるんでしょ!!」
「天宮さん!」
「来ないでよ!もう、誰も信じられない……!信じるのが怖いよ……。もういや……!やだよ……」
「あ、天宮さん……しっかりして」
組長が肩にほんの少し触れた瞬間、私を辛うじて保っていた最後の一本の糸が切れた。


