「……。天宮君、正直に話すんだ。正直に話してくれたら悪いようにはしない」
「近藤さん……?」
信じてくれないんですか?
あの時の言葉は嘘だったんですか?
「組長……」
「……」
組長は艶子さんを庇いながら眉を寄せて悲しげな目で私を見ていた。
そして、その目は静かに逸らされる。
……組長も私を信じてくれない。
今、ここにいる人たちは私に鋭い目を向けるか逸らすかの二つだけだった。
「さっさと歩け」
土方さんは私を間者としか見ていない。
「ふ……」
そっか。
誰も、私を信じてくれないんだ。
「ふふ……」
「天宮?」
いくら身体が痛くてつらくても頑張ってきたのに、ここにいる人たちは私を信じてくれないんだ。
私よりも艶子さんを信じる。
間者の艶子さんたちを。


