「おまえ、間者じゃないのか?」
「え?」
私が間者?
違う。
私は間者じゃない。間者は艶子さんとここで倒れてる人たちだ。
「違います!私は間者ではありません!」
「だったらどうして仲間を傷付けたんだよ!」
「おまえは俺たちの敵だ!」
「裏切り者!」
集まっていた隊士たちが私に向かって口々に言う。
そして向けられる多数の敵意の目。
いやっ……、そんな目で見ないで……。
「天宮、おまえはしばらく謹慎だ。処分が下されるまで部屋にいろ」
処分って何……?
私は間者じゃないのにどうして処分を受けないといけないの?
「来い」
掴まれていた腕を引かれ、土方さんに引きずられるように歩かされる。
「こ、近藤さん……」
私は最後の望みを託すように近藤さんを見た。
近藤さんなら信じてくれますよね。
だって、前に私は信頼に値する人だって言ってたじゃないですか。


