私の師匠は沖田総司です【下】


「おまえ、間者じゃないのか?」

「え?」

私が間者?

違う。

私は間者じゃない。間者は艶子さんとここで倒れてる人たちだ。

「違います!私は間者ではありません!」

「だったらどうして仲間を傷付けたんだよ!」

「おまえは俺たちの敵だ!」

「裏切り者!」

集まっていた隊士たちが私に向かって口々に言う。

そして向けられる多数の敵意の目。

いやっ……、そんな目で見ないで……。

「天宮、おまえはしばらく謹慎だ。処分が下されるまで部屋にいろ」

処分って何……?

私は間者じゃないのにどうして処分を受けないといけないの?

「来い」

掴まれていた腕を引かれ、土方さんに引きずられるように歩かされる。

「こ、近藤さん……」

私は最後の望みを託すように近藤さんを見た。

近藤さんなら信じてくれますよね。

だって、前に私は信頼に値する人だって言ってたじゃないですか。