龍馬さんと約束していた日がやってきた。
私は縁側に座り、少しウキウキした気持ちで束の間の休憩をとっていました。
上を見れば鉛のような重い雲が空全体を覆っている。
雨が降りそうですね。
今日はせっかく龍馬さんに会える日なのに、残念ながら天気に恵まれませんでした。
でも、天気は関係ありませんね。
だって龍馬さんは雨が降ろうが川原に行くって言ってましたから。龍馬さんのことですから嘘ではないと思います。
「早く会いたいな」
懐から龍馬さんの懐中時計を取り出し、銀の蓋を開く。そして耳に当てれば秒針が動く音が聞こえました。
チッ……チッ……という一定の音はやはり心が落ち着きますね。
しばらく懐中時計の音を聞いていると、人が近づいてくる気配を感じました。
私は急いで懐中時計を懐に隠し、何事もなかったかのように空を眺めます。
すると、近くで地面を踏む足音が聞こえてきました。足音は複数。
そのうちの一つは艶子さんのものですね。
「蒼蝶さん、見つけたで」
「どうかしましたか?……お仲間をそんなに引きつれて」
艶子さんの周りには彼女を守るように間者隊士がいます。


