「天宮さんだ!本物の天宮さんだ!やっと会えた!」

「ちょっ、苦しっ……」

胸を叩けば「ごめんね」と言われて離される。

顔をあげれば師匠と同じ顔があった。

でも、師匠じゃない。

「まさか、組長ですか!?」

「うん!」

無邪気に返事をする組長から犬の耳とはち切れんばかりに振る尻尾が見える気がする。

やっぱりこの人は組長で間違いない。

もう一度、組長が私を抱きしめようとしたら腕が伸びてきて引き寄せられる。

引き寄せられた先は師匠の腕の中だった。

「まったくどいつもこいつも。僕が最初に蒼蝶を見つけたのに、何で先に抱きしめるのさ。蒼蝶も隙だらけだよ」

「あうぅ、ごめんなさい」

「わかればよし」

師匠からの久しぶりの頭ナデナデ。

ナデナデに癒されていると、不意に額にやわらかいものが触れた。