子供が10人もいれば窮屈になりそうな本当に小さな公園。
遊具もブランコと動物の置き物ぐらいしかない。
そしてその公園のシンボルのように中央には大きな桜の木が植えられていた。
公園に桜を植えた人は、まさかここまで大きくなるとは思わなかったんだと思う。
桜の木が大きすぎて公園に馴染んでいないような気がした。
階段を降り、桜の木に近づく。
樹皮に触れると艶やかな感触が伝わってきて、花が咲いていなくても桜のほのかな甘い香りがした。
桜を見るといつも師匠を思い出す。
師匠、どうしてるだろう。
近藤さんや土方さんたちと会えたかな。それとも、大好きな甘い物でも食べてるのかな。
成仏生活を楽しんでるといいな……。
でもね、師匠。
……師匠に全国優勝した姿を見てほしかった。
そして、さすが僕の弟子だって言ってほしい。
師匠、会いたい……。
やっぱり師匠がいないのは寂しい……。


