「ありがとう。じゃあ、そろそろ帰るわ。蒼蝶は両親と帰るんだったわよね」
「うん」
「詩織さんはどうする?一人なら車で家まで送るけど」
「いいの?やった!じゃあ、お言葉に甘えようかな。小鳩ちゃんのことだからすごい車なんだろうな」
「うん、すごいよ。一度乗ってみたほうがいい」
「お!蒼蝶ちゃんのお墨付きなら乗るしかないね~。小鳩ちゃん、お願いします」
二人が帰るのを見送ったあと、私は会場のどこかにいると思う両親を探した。
でも、全然見つからない。
もう。どこに行ったんだろう。
会場の中は一通り探したし、もしかして外?
外に出れば夕暮れ時で、月がうっすら輝き始めている。
ライトをつけて道路を走る車が帰宅を急いでいるようにみえた。
会場の周りをうろうろしていると、3段ほどの階段があり、その下には小さな公園があった。


