私の師匠は沖田総司です【下】



「蒼蝶ちゃん優勝おめでとう!」

「ありがとう、詩織」

詩織が私に抱きついてくる。

試合は接戦の末、私が優勝した。手には優勝した証として賞状とトロフィーがある。

でもあまり実感がないのが正直な感想。

私が全国1位なんて夢みたいな話だ。

「やっぱり蒼蝶は強いわね」

小鳩が言った。

「小鳩も強かったよ。私が負けてもおかしくなかった」

「でも、今回は私の負けよ。……優勝おめでとう」

「ありがとう」

小鳩からお祝いの言葉を貰えるなんて、なんだかちょっと照れくさいな。

「今日、高校最後の試合だったけど、また私と勝負してくれる?」

「もちろん!」

私だって小鳩と試合がしたい。

最後なんて寂しすぎる。せっかくお互いにいいライバルだって思ってるんだから。