私の師匠は沖田総司です【下】


それからも私たちは勝ち進み、そして決勝戦は私と小鳩になった。

「小鳩、負けないからね」

「こっちこそ負けないから」

お互いに声を掛け合って決勝の準備をする。

そして大勢の視線が集まるなか、お互い向かい合い竹刀を向けた。

こうやって竹刀を持って向かい合っていると、池田屋事件の夜を思い出す。

今は防具もつけてるし持っているのも竹刀だけど、緊張感はあの夜と一緒。

やっぱり小鳩との試合は普通の試合とは違う気がした。

竹刀を握っていても命のやり取りをしているような気分になる。

主審の声で始まる。

お互いに竹刀の先を離したり近付けたりして相手の出方をみる。

そして、何度目か竹刀の先が離れた瞬間、同時に前に出た。