学校の倍以上はあるだろう広い体育館と観客席に座る人たちを見たら緊張は最高潮に。
開会式やら先生の話しがありましたが、緊張でほとんど思い出すことができない。
私、1試合目なのに大丈夫かな……。周りの人たち強そう……。
緊張で心臓がバクバクして、口の中が乾いてくる。
おどおどしながら試合の準備をしていると、バン!と背中を叩かれた。
私の背中を叩いたのは小鳩だった。
「しっかりしなさい。あなたは私に勝てる実力があるんだから大丈夫よ」
「小鳩」
「そうよ。小鳩ちゃんの言う通り、蒼蝶ちゃんは大丈夫だよ!絶対勝てるって!」
「詩織……。うん!わかった!」
二人の励ましのおかげで緊張がほぐれた。
面を着けて試合相手と向かい会い、そして試合が始まる。
相手は全国大会に出場するだけあって強い。
けど、私に剣術を指南してくれた師匠や組長、そしてライバルの小鳩や幕末で出会った人たち程じゃない!
「面あり!」
主審と副審の旗が上がる。
そして無事に1回戦を突破し、後の小鳩も余裕で勝利した。


