私の師匠は沖田総司です【下】


「お嬢様、着きました」

いつの間にか会場についていた。

会場は今まで試合した場所の中でも一番大きくて、あまりの建物の大きさに自分が蟻になったような気分になる。

うわっ……いよいよ緊張してきた……。

試合もまだなのに大丈夫かな。

「運転ありがとうございました」

「いえいえ。お二人とも頑張ってくださいね」

執事さんにペコッと頭を下げてから小鳩と入り口に向かうと、顧問の先生と詩織の姿があった。

実は詩織、私が剣道部に入ると同時に剣道部のマネージャーになってくれたのです。

もともと気配りが上手な詩織はマネージャーの仕事をあっと言う間に覚え、テキパキとこなし、現在では剣道部のおかん的存在です。

「蒼蝶ちゃん、小鳩ちゃん、おはよう」

「おはよう、詩織。先生もおはようございます」

詩織たちと合流して会場に入る。