私の師匠は沖田総司です【下】



「蒼蝶ー。そろそろ朝ご飯よー」

「はーい」

師匠がいなくなっても毎日欠かさず続けている朝稽古を終えて居間に行くと、机に置かれた朝食を見て思わず固まってしまった。

「朝からカツ丼……」

「そうよ。なんてったって今日は剣道の全国大会なんだから!蒼蝶、頑張ってね!」

確かに今日は剣道の全国大会であり、3年最後の大会。

朝から私のためにカツ丼を用意してくれたのは嬉しいけど、重いな……。

見てるだけで胃もたれしそうなカツ丼。狐色のトンカツの上にはトロトロの卵が乗っていて、おしゃれに三つ葉が飾ってある。

美味しそうだか、朝からはヘビーすぎる一品。

ぜひとも晩御飯で食べたい。

だが、母が朝早くから用意してくれたんだ。

頑張れの気持ちが沢山つまったカツ丼を無駄にはできない。

全部食べてやろうじゃないか!