師匠の成仏を見送った後のこと。
目を覚ますと、私は病院のベットで寝ていました。
隣にはやつれ果てて瞼を泣き腫らした両親の姿。
か細い声で「お父さん、お母さん」と呼ぶと、二人はせきを切った様に大泣きしながら私を抱きしめた。
二人が落ち着いた後、何があったのかを話してくれました。
どうやら私は半年近く行方不明になっていたらしい。
両親は警察に捜索願を出したり自分達で町中を探したりしてくれたそうです。
しかし、何一つ手掛かりもつかめず、このまま一生私に会えないのかと絶望に打ちひしがれていた所、突如庭が光り、桜の木の下に血だらけの姿で倒れていたようです。
何日も死線をさまよい、奇跡的な回復を遂げたそうです。
医者言うには、普通なら助からない状態だったらしいです。
それから数日入院し、無事に退院することができました。
そして、師匠がいない現代での生活が始まりました。
しかし師匠がいない生活に感傷に浸る間もなく、退院早々、試練が私を待ち受けていたのです。
それはテスト。
行方不明の間、出席日数がかなり危うい状態となってしまった私は、退院日した日から1週間後に迫ったテストで結果をださなければ留年する危機に陥ったのです。