ピピッ、ピピッ。

目覚ましが鳴ると、モゾモゾと動きながらベットから手を伸ばし、目覚ましをとめる。

そして、ジャージに着替え、顔を洗い、竹刀とラジオを持って庭に出た。

「師匠、おはようございます」

庭の桜の木にあいさつをする。

でも、桜の木からあいさつが返ってくることはなく、青葉がサワサワと揺れる音だけが聞こえた。

幕末の時代にタイムスリップしてから1年が過ぎた。

あの日以来、師匠の姿を見ることはない。