私の師匠は沖田総司です【下】


「っ……!?なに……」

「最後に油断したね、小鳩」

彼女の腹にはずっと懐にしまっていた短刀が突き刺さっていた。

小鳩は血を吐き、魂が抜けるように地面に倒れる。彼女が倒れたところから椿に似た色の血が地面に広がった。

ズキッと斬られた部分が痛み、私も地面に倒れる。

浅い息を繰り返しながら、私は月に向かって手を伸ばした。

「これで……全部、終わった……」

組長が労咳になっていないことをこの目で確かめたし、小鳩との決着もつけた。

この時代でやり残したことはもうない。

涙で月の形が歪む。

伸ばしていた腕にも力が入らなくなり、地面に落ちた。

どくどくと流れ続ける血と一緒に命が流れていく。

身体が寒くて、頭がぼんやりする。

瞼が重くて開けていられない。